部落の心を伝えたいシリーズ

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部落の心を伝えたい第8巻 ぬくもりを感じて

30分 DVD本体価格 50,000円(税抜)

「いじめ」にあいつづけた小学校時代

中倉茂さん(29歳)。山と川に抱かれた徳島県吉野川市に生まれる。現在、警備会社で働きながら、年間70回に及ぶ講演活動を続けている。

「部落差別をなくすことに、人生を賭けたい」——そう力強く語る“刺激的ナイスガイ”(市の人権啓発課長の命名とか)の中倉さんだが、実は小学校の6年間、今では信じられないようないじめにあっていたという。

校内だけでなく、通学路でもケガをするほどのいじめにあったこと。しかし、親や家族を悲しませたくないという思いから告げられなかったこと。

講演では、体験を通した自らの心情を具体的に語り、
「人権学習、同和教育はいじめをなくすだけでなく、皆が幸せになるための勉強だよ」
と若い感性に訴えかけた。

部落民宣言で知った人の「ぬくもり」

中倉さんに大きな転機が訪れたのは高校3年生のとき。
同和問題に携わっていた恩師・井村先生との出会いがあり、周囲に支えられて人権集会で部落民宣言を行った。

集会が終わった後、放心状態の中倉さん。そこへ皆がかけつけ、
「感動した」
「なぜもっと早く言ってくれなかったのか」
「これからも変わらへんよ」
と口々に励ましてくれた。

このとき、生まれて初めて「人間って暖かいなぁ」としみじみ思い、自分を支えてくれる人たちや仲間に感謝した。その気持ちは今も変わらないと述懐する。

結婚差別と闘う「今」

中倉さんには、結婚を約束した女性がいる。しかし、彼女の両親や兄姉は、部落出身であることを理由に反対している。

中倉さんは「彼女を育ててくれた大事な両親に自分を知って欲しい」という思いが強いが、会う道は完全に閉ざされてきた。2人の悩みは深く重い。現在進行形の“結婚差別”をカメラは追う。

2人の固い決意を支える仲間がいる。「徳島県西部青年の会“友輝”」のメンバーたちである。宏美さんは、揺れる心を励まされ、支えられてきた。中倉さんは彼らを「自分の誇りであり、宝だ」と言う。

松山市・北条町での講演。親しい人も大勢参加した会場で結婚することを報告。自分の置かれた状況を包み隠さず率直に語った。

そして7月12日、2人は婚姻届を提出。
「幸せになります」「今からがスタートです」
と、喜びの中にも固い決意が伝わってくる。

恩師への結婚報告。井村さんはこう語った。
「中倉君の性格は、一本気で妥協せんねえ。信念もっとるけんねえ。ああいう子が次代を担っていってくれたら、有難いと思う。宏美ちゃん、いい感じやねえ。あの子なら中倉君を十分支えていけるだろうと思います。喜んでおります。」

結婚して2カ月。この日の講演会場は、奇しくも妻となった宏美さんのふるさと。中倉さんは部落差別の実態を切々と訴えた。

「僕の例は特別なものではなく、大阪でも京都でも、その他の地域にもいっぱいあります。僕は、彼女のふるさとから差別をなくしたいのです。この町の仲間、青年たちを信じています。」

そう一段と力を込めて結んだ。

地元での結婚祝賀会。心から祝福してくれる大勢の仲間に支えられながら、2人は“結婚差別”という嵐の中を共に歩き続ける覚悟を新たにする。

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