40年以上も続く福岡の「あすなろ解放学級」。
今も地区内外から毎週大勢の人たちが集い、学び合い、話し合い、笑い、涙する。代表の野上早苗さん(58)が語る、一人からはじまる解放運動とは。
生いたち
あすなろ解放学級で20年以上にわたり代表を務める野上早苗さん。20歳のときに受けた結婚差別が、解放運動への目覚めとなった。
「あすなろ」との出会い
きっかけは、読み書きのできなかった母親の勧めだった。若い母親たちもやがて次々と仲間に加わり始めた。
願いはひとつ。何のためらいもなく子どもたちに故郷を名のらせたい。
誰もが生まれてきてよかったと思える社会を。
部落差別から出発し、今ここにある様々な人権問題と向き合う。野上さんは「差別は突然やってくる」と言う。その時、どう行動するか。一人ひとりに問われている。
後継者問題
野上さんから代表を引き継ぐ覚悟を決めている野中けい子さん。仲間の強いつながりを支えに、あすなろの歴史は受け継がれていく。