「私の喋り方、イントネーション、ヘンでしょ?
出身を隠したかったからなんです。
部落差別の恐怖は、物言いまで変えてしまった」
「これまで部落差別体験は 4 度あります。
21 歳のときの話は必ずします。
今の私があるのは、その体験があったからです」
「人権問題を他人事じゃなく自分事として捉え、子どもたちにも伝えてくれたら有り難いです。
私の差別体験も意味があったのかなと…」
第 12 巻「若い力は今」から 12 年。
その間、綾さんは結婚し、生活環境も激変した。
二人の子どもに部落についてどう伝えるべきか、母としての不安、揺れ動く気持ちを赤裸々に語る。心を蝕むリアルな部落差別が、ここにある。
11 年連れ添う夫、敬愛する義父、信頼する先輩、見守る母親…
綾さんを取り巻く人々の含蓄ある言葉の数々が、深く温かく胸に響く。