■急増する睡眠時無呼吸症候群による事故
睡眠時無呼吸症候群のドライバーが起こした事故が多発するなか、交通関連の事業者は、どのような対策を講じ、運転者をサポートすればよいのだろうか。
■睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時に無呼吸・低呼吸を繰り返し、深い睡眠が得られにくいため、日中に突然強い眠気に襲われるのが、睡眠時無呼吸症候群の特徴である。
早期発見に効果的なのが「スクリーニング検査」であり、事業所にはその積極的な導入が求められる。
■睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査
ある事業所が運転者に対して行っている「スクリーニング検査」の様子を紹介しながら、検査の具体的な方法を説明する。
睡眠時無呼吸症候群であると診断された被検者には、治療の後、適切な就業上の措置がなされる。
■睡眠時無呼吸症候群における事業者・運行管理者の役割
先の事業所では、検査で要治療の判定が出た運転者に対して、退職や異動をさせるのではなく、治療を共に進めながら長く就労してもらうことを目指している。
事業所内でこうした役割を担っているのが「運行管理者」である。
また、運転者が安心して病気を申告できるよう、国は各事業所に対して、取扱規定の作成を勧めている。
■睡眠時無呼吸症候群の精密検査と治療法
スクリーニング検査で「D」「E」判定が出た人は、専門医療機関で精密検査を受けた後、「CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)」などの治療を行っていく。
事業者・運行管理者には、ドライバーに「健康管理・安全運転は社会的使命であること」を自覚させる、強い指導力が求められている。