幼少期にこそ伝えたい「多様性」。人種、国籍、宗教、信条、性的指向や性自認、障害の有無——現代社会で「多様性」を尊重する重要性はますます高まっています。しかし、人間はそもそも多様であり、自分と異なる他者の個性を違和感なく受け入れ、尊重する感性は、幼いころから身につけていくべきものです。
本シリーズは、自分とは異なる他者との出会い、また他者と異なる自分への気づきなど、子どもたちが経験しうるさまざまな場面をアニメーションで描きます。あらゆる個性を尊重し、「人と同じ」であることにこだわらず、自分らしく生きていくことの素晴らしさを伝えます。
① 人種・国籍
来日・滞在する外国人は年々増加しており、子どもたちにとっても外国人と接する機会が身近になっています。見た目や言語、文化、習慣などが「違う」相手との出会いは、多様性を知る貴重な経験になる一方、その違いから誤解や無理解な態度が生じることもあります。この巻では、人種や国籍の違いに伴って起こってしまう無意識の思い込みや偏見、差別的感情に気づき、お互いを尊重する感性を育むことをめざします。
② LGBTQ+
性的マイノリティ(LGBTQ+)が自身の性的指向や性自認に気づく時期には個人差がありますが、小学校入学前の場合もあります。幼少期から「他の人と違う」ことに戸惑い、苦悩や葛藤を抱くことも少なくありません。この巻では、誰を好きになり、どの性別で生きたいと思うかは多様であり、誰もが生きやすい社会が望まれること、自分は自分であっていいことを伝えます。
③ 障害
視覚障害・聴覚障害・知的障害・発達障害など、障害にはさまざまな種類があります。障害のある人は日常生活で困難や固有の悩みを抱える場合があり、障害のない人には実感しにくいかもしれません。この巻では、障害による生きづらさや不便さがありつつも、それも個性であることを示します。どちらか一方が助け、もう一方が助けられるという関係性ではなく、お互いが対等であることが当たり前だと感じられる構成としました。