父が始め、兄弟が受け継ぐ
九州の久留米に生まれ育った中山末男は、解放同盟筑後地区協議会委員長を務める。
父は解放運動の先駆者として地元をはじめ全国を飛び回った。兄は狭山事件の主任弁護人を務める。中山が語る人生の足跡、少年時の生々しい差別体験、結婚差別、そして長男に降り掛かった差別事件。その闘いの日々を熱く語る。
ばあちゃんのリヤカー
母は38年間、廃品回収で家計を支えた。
その生き方は人権劇となり、幾度も上演されてきた。2015年、絵本になり出版された。
「私の生きてきた姿を伝えておきたい。たくさんの人達と手を結べ。ばあちゃんは決して負けんやったバイ」
解放運動を陰から支えつづけた母の姿は、いつしか反差別・平等・平和の象徴となった。
夢は人権のまちづくり
中山が中心となり久留米市人権啓発センターが設立された。人権啓発、教育を続けることが差別との闘い。
「久留米から発信する人権のまちづくり」を中山は仲間と共に確信をもって挑み続ける。住民の意識調査や現状認識の事実、加えて赤裸々に語る自らの生い立ち。熱く、やさしく、穏やかに――講演の引き合いも絶えない。