人権は世界のキーワード、あらゆる領域の問題です。そして、21世紀の主役は NGO です。
当センターは人権 NGO として、この間さまざまな活動を通じ、現実にある差別や人権問題を一緒に考え、実践的な問題提起をするという観点から、ビデオを作成しています。
全国的にも人権 NGO による、また人権全般にわたるビデオ・シリーズの発行はめずらしく、「人権問題の映像による入門書」として、広く啓発教材に活用されることを期待しています。
全12巻のうち、9巻を DVD 化しました。
第1巻・第7巻の「あなたへのメッセージ」は、DVD 化にあたって「セレクション」として一本化・再編集しました。
なお、第2巻「ジェンダーフリー ー男女共同社会へー」、第6巻「いきいき生きる子どもの権利とエンパワメント」は VHS のみ販売しています。
●第1巻(メッセージ篇/61分)
あなたへのメッセージ セレクション
7人の方々が、人権について自らの体験から語ります。
・落合恵子さん
・吉田ルイ子さん
・永六輔さん
・おすぎさん
・東ちづるさん
・星野昌子さん
・白井貴子さん
●第3巻(在日外国人篇/34分)
わいわいごちゃごちゃ ― 多文化・多民族共生の街 ―
神戸市長田区と川崎市を舞台に在日韓国・朝鮮人の取り組みと、共に活動する日本人の姿を紹介。「在日」の歴史も織りまぜ、「わいわいごちゃごちゃ」街に暮らすさまざまな民族の人たちが、共に生きていくことの大切さを探ります。
●第4巻(部落篇/43分)
沖浦和光が語る 被差別民が担った文化と芸能 ― 日本文化の地下伏流 ―
全国各地の被差別部落を訪ねて
数百にのぼる被差別部落を訪れ、伝承されてきた芸能と産業技術を研究してきた沖浦和光さん。
この作品では、沖浦さんの研究成果をもとに、大阪・奈良・浅草における、被差別民衆が担ってきた芸能の歴史をたどります。
●第5巻(移住外国人篇/35分)
いっしょに歩こう ― 豊かな国際化社会をめざして ―
外国人労働者と社会の国際化
1980年代後半から、多くの外国人が働く場を求めて日本にやってきました。しかし、そこに横たわっていたのは、低賃金・社会保障なしの劣悪で不安定な労働条件、そして企業や地域社会での根深い偏見や差別です。
21世紀における日本社会の国際化のあり方が、今問われています。
●第8巻(AIDS篇/38分)
風よ雲よ伝えてよ ― HIV/AIDSと共に生きる ―
HIV 感染者は世界で4,000万人。先進国といわれる国で増加を続けている唯一の国が日本です。
その背景には、HIV/AIDS に対する無理解や偏見があります。当事者の声、感染者と共に歩む若者たちの思いや活動を紹介し、「共に生きる社会」について考えます。
●第9巻(野宿生活者篇/40分)
温もりある社会を ― 野宿生活者とともに ―
野宿生活者と地域社会
全国の野宿生活者(ホームレス)は、厚生労働省の調査だけでも 2万5千人を超え、新たな人権問題となっています。
ビデオでは、野宿生活者の現状や前向きに生きようとする姿、市民による支援活動、行政の取り組みを紹介し、温もりある地域社会のあり方を探ります。
●第10巻(障害者篇/42分)
この街で一緒に ― あなたへのメッセージ ―
障害とともに生きる
・勝山広子:趣味はカメラ。視覚に障害があり、アメリカ留学を経て、現在は大学の教壇に立つ。
・広田和子:「精神医療サバイバー」を名乗り、相談活動・講演・ラジオ DJ と多忙な日々を過ごす。
・松田美八重:障害を個性と考え、絵を描き続ける集団の事務局として活動。厚木市の相談員も務める。
・植村牧場:奈良にある牧場。知的障害者たちが、乳搾り・配達など、作業のすべてを自らの手で行っている。
●第11巻(アイヌ民族篇/40分)
チャランケ ― アイヌ民族の人権 ―
北海道に暮らすアイヌ民族は、和人(日本人)による支配によって、民族としての尊厳を侵されてきました。
アイヌ民族に対する無知と偏見、差別はいまなお根強く存在しています。
このビデオでは、北海道を離れ、東京・首都圏で暮らす古老や若いアイヌの人々を訪ね、民族としての誇りをもって生きる姿やその取り組みを追います。
●第12巻(男女平等篇/40分)
誰でも どこでも ― 男女平等をめざして ―
【監修・出演】江原由美子
男女雇用機会均等法制定から20年。男女共同参画社会基本法も制定されたものの、正規労働者は減少し、非正規労働者が増大しています。
その多くは女性であり、その背後には根深いジェンダー意識があります。
セクシャルハラスメントやドメスティック・バイオレンス(DV)など、女性に対する人権侵害もあとを絶ちません。
このビデオでは、女性たちの声に耳を傾け、均等待遇や女性の人権確立に向けた活動を紹介し、男女平等に向けた可能性を考えます。