今、ハンセン病問題は大きな課題に直面しています。長島愛生園でも、現在260名ほどの入所者が療養生活を送っていますが、平均年齢が83歳と高齢化し、毎年数十名ほどが亡くなっています。
ハンセン病に対する厳しい差別、その悲しい歴史と、その中を生き抜いた人々の歴史が風化しないように伝えていきたい――広島県福山市にある進中学高等学校ヒューマンライツ部では、らい予防法が廃止された翌年の1997年から同園を訪問し、入所者の苦しみや悲しみの人生から「生きる意味」や「生き抜いた証」を聞き取る体験学習を続けています。
そうした活動の中で、現在中学2年生の後藤泉さんが中学1年生の時に書いた「ハンセン病から学んだこと」についての作文が、第33回全国中学生人権作文コンテストで法務大臣賞を受賞しました。
そこで、この作品は、その作文の内容を映像化することで、かつてハンセン病を患った人たちやご家族への人権侵害の歴史を、二度と繰り返さないように強く訴えかけていくものです。