2013年末、国会で国連の「障害者の権利に関する条約」の批准承認が可決され、2014年1月、日本はようやく世界で140番目の批准国となりました。この条約では、障害者が社会の一員として共に生きて行くためには、周りの人々が「合理的配慮」をしていかなければならないこと、そして「合理的配慮がなされないことは障害者に対する差別に当たる」ということが、はっきりと記されています。
今まで日本では、障害者を福祉的支援だけで保護してきました。しかし、社会の一員として共に生きるための主体的な権利については、まだ十分に保障しているとは言えませんでした。
そこでこの作品は、合理的配慮について人権・差別の観点からわかりやすく解説し、正しい理解を促します。その上で、さまざまな特性・症状を持った障害児たちが生き生きと学校生活を送るために、どのような配慮をすればよいかを具体例で示します。
子どもたちに合理的配慮を身につけさせていくためには、まず指導者・保護者が合理的配慮を正しく理解する必要があるのです。