東日本大震災では、各地の避難所で女性への暴力や児童虐待などが数多く報告され、また乳幼児のいる家族や障害者など、困難を抱える人々が過酷な状況を強いられたといいます。そこで、災害時には女性の目線による女性の組織的な活動が欠かせないと考えられるようになりました。
2015年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議でも、防災・減災の担い手として女性のリーダーシップの重要性が強調されています。こうした流れの中、東日本大震災の被災地をはじめとして、全国各地で女性の防災リーダーを養成し、女性の防災組織を作ろうという取り組みが広がっています。
本作品では、防災・減災における女性のリーダーと女性による活動の組織化の重要性を示し、平常時・発災時には、女性にどのような役割が期待されるのかを解説します。
また、地域で女性の防災組織を作った場合、具体的にはどのような活動があるのか、東日本大震災の被災体験をもとに活動する女性の防災組織と、将来の災害に備えるために活躍する女性の組織の両方の活動を紹介しながら、何が大切なのかというポイントを説明していきます。
女性たちが地域の防災・減災を積極的に担おうと考えるきっかけとして、すでに防災活動に取り組んでいる女性たちにとっては、その活動を広げるヒントとして活用できる教材です。