2014年8月に広島市で起こった土砂災害では、74人が亡くなるという大きな被害となりましたが、土石流にのまれた人々の中には、地域住民によって救出された人も大勢いました。また阪神・淡路大震災でも、多くの人が地域の人々によって助け出されました。こうした過去の災害の教訓から、地域の中では「共助」といわれる地域住民による支え合い、助け合いが欠かせないと認識されるようになりました。その中心となるのが「自主防災組織」です。
近年の日本の災害は地震だけではなく、台風や集中豪雨、竜巻などによる気象災害もますます深刻になってきています。
加えて地域によっては高齢化や人口減少が進んでいるため、地域の自主防災組織の重要性が増し、同時に地域ごとに異なる課題に対応していくことが求められています。
本作品では、最近の土砂災害と地震災害での教訓をふまえて、いざというときのために、平常時に何ができるかを解説します。
自主防災組織がまだ存在しない地域では、自主防災組織設立のきっかけとして、また、今ある自主防災組織がより活動的になるためのヒントとして最適な教材です。