この数年、住宅火災で亡くなる高齢者が増加しています。亡くなった人の半数以上は逃げ遅れです。煙で周りが見えなくなり、さらに煙の中に含まれる一酸化炭素で中毒を起こして逃げられなくなるのです。
こうした悲劇を防ぐには、まず出火を防ぐこと。出火した場合には、早く発見して逃げることが大切です。しかし、高齢になると動くのがおっくうになり、ストーブの周りに物をおいて生活するなど、出火しやすい状態になっていることがしばしばあります。また、コンロの火を消し忘れてしまったり、物が燃える音に気づかなかったりすることもあります。
したがって、高齢者ならではの火災対策が必要となってきます。
本作品では、まず住宅火災の出火原因を検証し、高齢者宅での出火を防ぐための対策として必要な心構えや防炎製品の効果などを紹介します。次に、出火した場合の煙の怖さについて検証し、火災を早く発見するための住宅用火災報器を活用するうえでの注意点、そして、高齢者を守るための地域の取り組みを紹介します。
過去の火災事例や実験映像、専門の先生のお話などを盛り込み、出火防止、早期発見、早期避難とその実現のためには地域の力が大切であることを訴えます。